元警視・建川一茂|企業・自治体を守る!実践的な講演会及び研修会を全国対応でご提供。

【防災の死角】避難所の質を高める「+ONE」とは?元警視が解説

「防災備蓄リストは完璧だ。しかし、避難所で本当に必要なものは、本当にそれだけでしょうか?」

多くの防災計画が見落とす、避難生活の「質」という深刻な問題。元警察官として数々の現場を見てきた経験から断言できるのは、避難所の環境悪化が、体力だけでなく人の心をも蝕む「二次災害」を引き起こすという事実です。

この記事で解説するのは、2025年9月9日に相模原市新磯地区の防災リーダー研修会で議題となった、避難所の質を劇的に改善する新概念**『+ONE(プラスワン)』**です 。これは、備蓄品に「もう一つ」工夫を加えることで、避難所の安全と尊厳を守るための思考法です

{{課題提示}}:その防災計画、「避難した後」の視点が抜けていませんか?

自治会や管理組合の役員として、防災マニュアルの整備や備蓄品の管理に尽力されていることと思います。しかし、その計画は「避難所に無事たどり着くこと」がゴールになっていないでしょうか。

本当の戦いは、避難所のドアを開けた瞬間から始まります。プライバシーのない空間、途絶える情報、衛生環境の悪化──。これらは確実に、住民の心身を疲弊させ、コミュニティ内に新たな火種を生むのです。

潜在リスク:元警察官が見抜く、避難所の危機管理「3つの死角」

私が現場で見てきたのは、モノの不足よりも深刻な「環境」と「情報」の欠如が引き起こす混乱です。

  1. プライバシーの喪失と治安悪化: 仕切りのない空間では、ストレスから住民間のトラブルが頻発します。また、誰がどこにいるか把握しづらく、盗難などの軽犯罪の温床にもなり得ます。
  2. 不正確な情報とデマの蔓延: 給水はいつ?物資は届くのか?公式情報が全員に行き渡らないと、不安がデマを呼び、パニックを引き起こします。
  3. 衛生環境の悪化と健康被害: トイレ問題やゴミ問題は、感染症のリスクを増大させます。特に高齢者や乳幼児など、災害弱者にとっては命に関わる問題です。

【根拠】公的機関も警鐘を鳴らす避難所の「質」

国や自治体も、単なる場所の確保から「避難所の質の向上」へと舵を切っています。内閣府のガイドラインでは、プライバシーの確保や衛生対策、情報伝達の重要性が繰り返し強調されています。これは、避難所運営が地域の「共助」のレベルを測る試金石であることを示唆しています。

  • 参考: 内閣府 防災情報のページ「避難所運営ガイドライン」

鉄壁の対策:避難所の質を高める『+ONE』アクション3選

先日、私が事務局長兼司会として参加した新磯地区の防災研修会で、野崎雅利副隊長を講師に『+ONE』ワークショップが実施されました 。これは、備蓄品に「もう一つ」加える工夫で避難所の課題を解決する思考法です 。明日からあなたの地域でも応用できる具体策を3つご紹介します。

手順1:『+ONE』思考で備蓄品を見直す

防災倉庫の毛布や食料の数を数えるだけでなく、「もし自分がここで2週間過ごすなら?」と想像してみてください。その視点から「もう一つ」加えるべきものをリストアップします。

《+ONEアイデアリスト・テンプレート例》 | カテゴリ | 基本備蓄品 | +ONEアイデア | 目的 | | :— | :— | :— | :— | | 情報 | ラジオ | ホワイトボード、模造紙、マジックペン | 全員が見える情報共有拠点を作る | | プライバシー | 毛布 | 段ボール、養生テープ、紐 | 簡易更衣室や授乳スペースを作る | | 衛生 | 消毒液 | ゴミ袋(大)、凝固剤、蓋付きバケツ | 簡易トイレの環境を改善する | | 心のケア | なし | トランプ、折り紙、耳栓、アイマスク | 子どもの遊び場確保、大人の休息支援 |

手順2:『+ONE』防災チェックリストで現状を把握する

[ ] 情報班:ホワイトボードとペンは備蓄されているか? [ ] 衛生班:段ボールパーテーションの作り方を共有しているか? [ ] 要配慮者班:耳栓やアイマスクなど、休息を助ける物品はあるか? [ ] 総務班:子どもが静かに過ごせる遊具(トランプ等)はあるか? [ ] 全 員:次回の防災訓練で『+ONE』を試す計画は立てられているか?

手順3:定期訓練で『+ONE』を実践・改善する

計画は実践してこそ意味を持ちます。私たちの新磯地区では、今回の研修を踏まえ、来る

11月9日(日)に大規模な「新磯地区防災訓練」を予定しています 。この場で『+ONE』のアイデアを実際に試し、有効性を検証し、次の計画へフィードバックするサイクルを回すことが重要です。

導入後の未来:単なる「避難所」から、尊厳を守る「コミュニティ拠点」へ

『+ONE』を導入することで、あなたの地域の避難所は、ただ雨風をしのぐ場所から、住民が尊厳を保ち、互いに支え合うコミュニティの拠点へと生まれ変わります。それは、災害という未曽有の危機に立ち向かう上で、何よりの安心材料となるでしょう。

行動喚起:あなたの組織に、危機管理の専門家という「最強の盾」を

「私たちの防災計画は、本当に実践的なのだろうか?」 その不安を解消するのが、現場を知る専門家の視点です。

元警察官としての危機管理能力と、行政書士としての計画策定能力。双方を兼ね備えた私が、あなたの組織に眠る課題を洗い出し、実効性のある防災体制の構築を支援します。

無料相談は契約を強制しません。まずはあなたの組織の状況をお聞かせください。 >>危機管理・防災コンサルティングの無料相談はこちら

FAQ

Q2. 『+ONE』のアイデアは、どこで学べますか? A2. まずは地域の防災訓練や研修会に積極的に参加することをお勧めします。今回の新磯地区の研修会のように、実践的なワークショップが行われることがあります 。また、当事務所のような危機管理の専門家にご相談いただければ、組織の特性に合わせた具体的な『+ONE』リストの作成を支援します。

Q1. 自主防災隊とは、具体的に何をする組織ですか? A1. 地域の住民が主体となり、「自分たちのまちは自分たちで守る」という精神のもと、災害時の初期消火、救出・救護、避難誘導、情報伝達などを行う組織です。平常時から訓練や防災知識の啓発活動を行っています。

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この記事を書いた人

元神奈川県警察 警視。数々の修羅場を乗り越えた危機管理のスペシャリスト。特に、社会を震撼させた「相模原障害者施設殺傷事件」や「川崎市登戸児童殺傷事件」においては、混乱を極める現場の最前線での規制線の確保、マスコミ対応、応援部隊の調整、関係機関との困難な交渉を完遂。机上の空論ではない、極限状態での的確な意思決定と組織統率のノウハウを体得している。現在は行政書士として、その卓越したリスク管理能力を民間企業に還元。すでに3社の企業顧問を務めた経験から平時から有事まで、組織のあらゆる「死角」を指摘し、鉄壁の防御体制を構築している。多くの経営者が対策を後回しにする「本当のリスク」を知る、数少ない実務家。

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