元警視・建川一茂|企業・自治体を守る!実践的な講演会及び研修会を全国対応でご提供。

Q&A|【高齢者・家族の危機管理】詐欺・孤立・相続トラブル予防

Illustration of four women in business attire working at a conference table with laptops in a bright office, representing an AI secretary team.
#image_title


高齢者を狙った特殊詐欺、孤立死、家族間の相続トラブルは、地域と家庭の危機管理課題です。

元警察幹部としての現場経験を踏まえ、被害を防ぐための見守り体制、記録化、相談先の判断、家族内の情報共有の重要性をQ&A形式で解説します。

遺言書・任意後見・死後事務委任契約などの具体的な書類作成については、行政書士サイトで個別にご相談ください。


目次

Q1. 高齢の親が特殊詐欺に遭わないために、家族は何を確認すべきですか?

まず確認すべきは、電話・お金・個人情報の管理状況です。

特に注意すべきなのは、次のような状況です。

  • 固定電話に知らない番号からよく電話が来る
  • 「還付金」「未納料金」「警察官」「銀行協会」などの話を信じやすい
  • ATMへ一人で行く機会が多い
  • 通帳・キャッシュカード・印鑑の保管場所を家族が把握していない
  • 最近、急に不安そうな様子が増えた

詐欺被害は、本人だけの注意力で防ぐには限界があります。
家族が定期的に声をかけ、普段と違う言動を早く見つけることが重要です。

不審な電話や悪質商法の相談先として、消費者庁は全国共通の消費者ホットライン「188」を案内しています。また、犯罪や事故に当たるか分からないが警察に相談したい場合は、警察相談専用電話「#9110」が案内されています。


Q2. 親が「大丈夫」と言っている場合でも、家族が見守る必要はありますか?

あります。
高齢者のトラブルでは、本人が「迷惑をかけたくない」「恥ずかしい」と考え、被害や不安を家族に言わないことがあります。

見守りでは、直接問い詰めるよりも、次のような確認が有効です。

  • 最近、知らない人から電話や訪問がなかったか
  • 不審な請求書や封書が届いていないか
  • ATMや銀行に急いで行くような話がなかったか
  • 通帳から不自然な出金がないか
  • 生活リズムや表情に変化がないか

大切なのは、本人を疑うことではありません。
本人が被害を話しやすい関係を作ることです。


Q3. 一人暮らしの高齢者の孤立を防ぐには、何をすればよいですか?

一人暮らしの高齢者を守るには、複数の目で見守る仕組みが必要です。

家族だけで抱え込まず、次のような関係先とつながっておくことが重要です。

  • 家族・親族
  • 近隣住民
  • 自治会・町内会
  • 民生委員
  • 地域包括支援センター
  • かかりつけ医
  • ケアマネジャー
  • 行政窓口

孤立死を防ぐうえで大切なのは、緊急時だけの連絡ではなく、日常の小さな異変に気づける体制です。

例えば、新聞や郵便物がたまっている、雨戸が開かない、夜になっても電気がつかない、ゴミ出しが急に止まったといった変化は、重要なサインになることがあります。


Q4. 高齢の親が悪質な訪問販売や電話勧誘を受けた場合、どう対応すべきですか?

まず、契約書、名刺、パンフレット、領収書、振込先、電話番号などを捨てずに保管してください。

次に、本人を責めないことが重要です。
「なぜ契約したのか」と責めると、次から相談しにくくなります。

対応の流れは次のとおりです。

  1. 契約内容と支払状況を確認する
  2. 関係書類を保管する
  3. 相手方の会社名・担当者名・連絡先を記録する
  4. 消費生活センターや専門家に相談する
  5. 必要に応じて警察相談につなげる

消費者庁は、消費生活上の困りごとについて「消費者ホットライン188」に相談するよう案内しています。犯罪性が疑われる場合や不安が強い場合は、警察相談専用電話「#9110」や最寄りの警察署への相談も選択肢です。


Q5. 家族間の相続トラブルは、なぜ事前対策が必要なのですか?

相続トラブルは、親族関係が悪い家庭だけで起きるものではありません。

むしろ、次のような家庭で起きやすくなります。

  • 生前に財産の話をしていない
  • 実家を誰が引き継ぐか決めていない
  • 兄弟姉妹の一人だけが親の介護をしている
  • 親の預金管理を一人の子どもがしている
  • 不動産が複数ある
  • 再婚・前婚の子・養子など家族関係が複雑
  • 「うちは仲が良いから大丈夫」と考えている

相続は、感情・お金・過去の不満が一度に表面化します。
だからこそ、元気なうちに、家族で情報を共有し、必要に応じて遺言書などの準備をしておくことが重要です。


Q6. 家族に相続や老後の話を切り出すには、どうすればよいですか?

いきなり「財産はどうするの」と聞くのは避けた方が安全です。
相手が警戒したり、不快に感じたりすることがあります。

切り出し方としては、次のような言い方が自然です。

  • 「何かあった時に、慌てないように確認しておきたい」
  • 「通帳や保険の場所だけでも、家族で分かるようにしておきたい」
  • 「お父さん・お母さんの希望を尊重したいから、元気なうちに聞いておきたい」
  • 「相続で家族が揉めないように、今のうちに整理しておきたい」
  • 「行政書士や専門家に一度だけ整理してもらうのはどうか」

相続や老後の話は、財産を奪う話ではありません。
本人の意思を守り、家族の混乱を防ぐための話し合いです。


Q7. 親の判断能力に不安が出てきた場合、家族は何を記録すべきですか?

まず、日常の変化を冷静に記録してください。

記録しておくとよい項目は次のとおりです。

  • 物忘れの頻度
  • 同じ話を何度もするか
  • 通帳や印鑑をなくすことが増えたか
  • 高額な買い物や契約をしていないか
  • 知らない人と頻繁に連絡を取っていないか
  • 医療機関の受診状況
  • 家族との会話内容
  • 金銭管理の変化

ここで重要なのは、家族が勝手に「認知症だから無効」と決めつけないことです。
判断能力の有無は、医師の診断や具体的事情を踏まえて慎重に判断される問題です。

不安がある場合は、早めに医療機関、地域包括支援センター、行政窓口、専門家へ相談してください。


Q8. 遺言書や任意後見などの話は、危機管理と関係がありますか?

関係があります。

遺言書、任意後見、見守り契約、死後事務委任契約などは、単なる法律書類ではありません。
家族が困らないようにするための 事前の危機管理手段 です。

例えば、次のようなリスクを減らせます。

  • 相続人同士の争い
  • 親の財産管理をめぐる疑念
  • 認知症後の契約・支払いトラブル
  • 死後の葬儀・納骨・役所手続の混乱
  • 空き家化
  • 親族間の感情的対立

ただし、具体的な書類作成や個別判断は、行政書士サイト側で整理して相談につなげるのが適切です。

法務省は自筆証書遺言書保管制度を案内しており、遺言書の保管に関する公的制度も整備されています。具体的にどの制度を使うべきかは、家族構成・財産内容・本人の意思を踏まえて検討する必要があります。


Q9. 実家が空き家になりそうな場合、早めに考えるべきことは何ですか?

実家の空き家化は、家族だけでなく地域の危機管理にも関係します。

早めに確認すべきことは次のとおりです。

  • 実家の所有者は誰か
  • 相続登記は済んでいるか
  • 固定資産税の通知先は誰か
  • 管理する人は誰か
  • 売却・賃貸・解体・使用継続の方針
  • 近隣に迷惑をかける危険がないか
  • 火災・倒壊・不法侵入のリスクがないか

空き家問題は、放置するほど対応が難しくなります。
特に、相続人が複数いる場合、全員の意見がまとまらず、管理も処分もできない状態になることがあります。

相続登記は2024年4月1日から義務化され、不動産を相続したことを知った日から3年以内の登記が必要とされています。登記申請そのものは司法書士の専門領域になるため、行政書士サイトでは制度説明と専門家連携の導線を明確にするのが安全です。


Q10. 高齢者・家族のトラブルで、どこに相談すべきか迷ったらどう判断すればよいですか?

相談先は、問題の種類で分けて考えます。

状況主な相談先
今まさに危険がある、事件・事故の可能性がある110番
犯罪か分からないが警察に相談したい#9110、最寄りの警察署
悪質商法・契約トラブル消費者ホットライン188、消費生活センター
高齢者の生活・介護・見守り地域包括支援センター、市区町村窓口
遺言書・死後事務・任意後見などの書類準備行政書士
相続登記・不動産名義変更司法書士
紛争、交渉、訴訟、損害賠償弁護士
相続税・贈与税税理士

緊急の事件・事故は110番、緊急でない警察相談は#9110が案内されています。また、消費者トラブルでは消費者ホットライン188が案内されています。

大切なのは、最初から完璧な相談先を選ぼうとしないことです。
危険を感じたら早く相談し、必要に応じて適切な専門機関につないでもらうことが重要です。


※本ページは、高齢者・家族をめぐるトラブル予防と危機管理に関する一般的な情報提供です。個別の相続手続、遺言書、任意後見契約、死後事務委任契約等の書類作成については、行政書士サイトよりご相談ください。すでに紛争化している案件、交渉、訴訟、損害賠償請求等については、弁護士への相談が必要となる場合があります。

※本Q&Aは、警察・行政の公表情報に基づく一般的な情報提供です。具体的な紛争・交渉・訴訟に踏み込む助言は、弁護士その他の専門家に必ずご相談ください。※当事務所では、行政書士業務の範囲内で、契約書・誓約書・覚書・社内規程・許認可手続等に関する書類作成および相談対応を行います。すでに紛争化している案件、交渉、訴訟、損害賠償請求、刑事告訴等に関する代理業務は弁護士の業務領域となります。

author avatar
建川一茂
元神奈川県警察 警視。数々の修羅場を乗り越えた危機管理のスペシャリスト。特に、社会を震撼させた「相模原障害者施設殺傷事件」や「川崎市登戸児童殺傷事件」においては、混乱を極める現場の最前線での規制線の確保、マスコミ対応、応援部隊の調整、関係機関との困難な交渉を完遂。机上の空論ではない、極限状態での的確な意思決定と組織統率のノウハウを体得している。現在は行政書士として、その卓越したリスク管理能力を民間企業に還元。すでに3社の企業顧問を務めた経験から平時から有事まで、組織のあらゆる「死角」を指摘し、鉄壁の防御体制を構築している。多くの経営者が対策を後回しにする「本当のリスク」を知る、数少ない実務家。
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

元神奈川県警察 警視。数々の修羅場を乗り越えた危機管理のスペシャリスト。特に、社会を震撼させた「相模原障害者施設殺傷事件」や「川崎市登戸児童殺傷事件」においては、混乱を極める現場の最前線での規制線の確保、マスコミ対応、応援部隊の調整、関係機関との困難な交渉を完遂。机上の空論ではない、極限状態での的確な意思決定と組織統率のノウハウを体得している。現在は行政書士として、その卓越したリスク管理能力を民間企業に還元。すでに3社の企業顧問を務めた経験から平時から有事まで、組織のあらゆる「死角」を指摘し、鉄壁の防御体制を構築している。多くの経営者が対策を後回しにする「本当のリスク」を知る、数少ない実務家。

目次