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Q&A|企業法務・契約書・許認可・内部統制

行政書士事務所のオフィスで4人の女性スタッフが協力して書類を確認する場面。中央の女性がノートパソコンを操作し、別の2人が資料を見ながら議論している。左にはファイルと電話機がある。雰囲気は落ち着いたビジネス環境。
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目次

Q1. 口約束だけで取引を進めることは危険ですか?

はい。非常に危険です。
口約束は、当事者同士の認識が少しでもずれると、後から「言った・言わない」のトラブルになりやすいからです。

特に、建設業・業務委託・外注・下請け取引では、作業範囲、報酬、支払時期、責任範囲、契約解除の条件などを曖昧にしたまま進めると、後日大きな損害につながることがあります。

契約書は、相手を疑うためのものではありません。
双方の認識をそろえ、取引を安全に進めるための「事前の交通整理」です。


Q2. 契約書を作成する一番の目的は何ですか?

一番の目的は、トラブルを未然に防ぐことです。

契約書には、主に次の役割があります。

役割内容
認識の一致業務内容・金額・期限・責任範囲を明確にする
証拠化後日の紛争時に合意内容を確認できる
リスク管理損害賠償・秘密保持・解除条件などを事前に定める
社内統制誰が承認し、誰が責任を持つかを明確にする

「信頼している相手だから契約書はいらない」という考え方は、企業経営では危険です。
信頼関係を守るためにこそ、契約書が必要です。


Q3. 契約書・誓約書・覚書はどう使い分ければよいですか?

それぞれ目的が異なります。

書類主な目的使用例
契約書双方の権利義務を明確にする業務委託契約、売買契約、下請契約
誓約書一方が一定の事項を約束する秘密保持、SNS投稿禁止、競業避止、社内ルール遵守
覚書既存契約の補足・変更・確認契約期間延長、業務範囲変更、支払条件変更

重要なのは、タイトルではなく内容です。
「覚書」と書かれていても、実質的に契約内容を変更するものであれば、契約書と同じように慎重な確認が必要です。


Q4. 電子契約を導入するメリットはありますか?

あります。
電子契約は、契約締結のスピード向上、印紙代削減、保管管理の効率化に役立ちます。

一方で、導入時には次の点を確認する必要があります。

  • 誰が契約締結権限を持つのか
  • 社内承認フローが整っているか
  • 契約データの保存場所と管理権限
  • 相手方が電子契約に対応しているか
  • 契約書の内容確認を誰が行うか

電子契約は便利ですが、「簡単に締結できる」からこそ、社内ルールがないと危険です。
導入前に、決裁権限や承認手順を整えておくことが重要です。


Q5. 取引先から提示された契約書ひな形は、そのまま使ってよいですか?

そのまま署名・押印するのは避けるべきです。

取引先が提示する契約書は、相手方に有利な内容になっている場合があります。
特に次の条項は注意が必要です。

確認すべき条項注意点
業務範囲自社の負担が過大になっていないか
報酬・支払条件支払時期、遅延時対応が明確か
損害賠償無制限責任になっていないか
契約解除相手だけが有利に解除できないか
秘密保持範囲・期間が過度でないか
再委託外注・協力会社の利用が制限されていないか
管轄裁判所遠方の裁判所になっていないか

契約書は「読んだつもり」では危険です。
自社にどのような義務とリスクが発生するかを確認した上で締結する必要があります。


Q6. 建設業許可などの許認可は、取得後も管理が必要ですか?

必要です。
許認可は「取得して終わり」ではありません。
維持管理を怠ると、更新できない、変更届が漏れる、最悪の場合は許可取消しや営業上の信用低下につながる可能性があります。

建設業許可では、例えば次のような管理が重要です。

  • 更新期限の管理
  • 決算変更届の提出
  • 役員・所在地・営業所の変更届
  • 経営業務管理責任者・専任技術者の要件確認
  • 社会保険加入状況の確認
  • 許可業種と実際の工事内容の整合性確認

許認可業務では、日常的な管理体制が重要です。
「気づいたら期限が過ぎていた」という状態は、企業にとって重大なリスクです。


Q7. 自社の事業に許認可が必要かどうか、どう判断すればよいですか?

まず、事業内容を具体的に整理する必要があります。

単に「建設関係」「中古品販売」「人材関係」「運送関係」といった大まかな説明だけでは、許認可の要否を正確に判断できない場合があります。

確認すべきポイントは次のとおりです。

確認項目内容
事業内容実際に何を販売・提供するのか
取引形態自社施工か、仲介か、委託か
顧客個人向けか、法人向けか
反復継続性一時的か、継続的事業か
金額・規模許可要件に該当する規模か
取扱物中古品、食品、車両、人材、建設工事など

許認可が必要な事業を無許可で行うと、行政処分や刑事罰の対象となる場合があります。
新規事業を始める前に、早めに確認することが重要です。


Q8. 従業員のSNS炎上を防ぐために、会社は何をすべきですか?

まず、就業規則やSNS利用規程を整備することが重要です。

従業員の私的SNS投稿であっても、会社名、制服、店舗、顧客情報、取引先情報、業務中の写真などが投稿されると、会社の信用に大きな損害を与える可能性があります。

最低限、次のようなルールを整備すべきです。

  • 顧客情報・取引先情報の投稿禁止
  • 社内情報・未公開情報の投稿禁止
  • 勤務中の私的投稿の制限
  • 制服・社用車・社内設備が写る投稿の注意
  • 差別的・誹謗中傷的投稿の禁止
  • 炎上発生時の報告義務
  • 違反時の社内処分の可能性

SNS対策は、炎上してからでは遅い分野です。
事前の教育と規程整備が、会社を守る基本になります。


Q9. 従業員の私的SNS投稿を会社が制限することはできますか?

一定の範囲では可能です。
ただし、従業員の私生活や表現の自由に過度に介入することはできません。

会社が規制しやすいのは、会社の信用、業務、顧客情報、機密情報に関わる投稿です。

例えば、次のような投稿は会社として問題視しやすい内容です。

  • 顧客情報を含む投稿
  • 会社や取引先の内部情報を漏らす投稿
  • 勤務中の不適切行為を示す投稿
  • 会社名や制服を出した迷惑行為
  • 業務上知り得た情報の投稿
  • 会社の信用を著しく傷つける投稿

一方で、会社と無関係な私的意見まで広く禁止する規程は、無効または不適切と判断されるリスクがあります。
規程は「会社を守るために必要な範囲」に絞って設計することが重要です。


Q10. 従業員の不祥事やSNS炎上が起きた場合、最初に何をすべきですか?

初動対応が極めて重要です。
感情的に処分を決めたり、事実確認前に謝罪文を出したりすると、かえって被害が拡大することがあります。

初動では、次の順番で対応します。

順番対応内容
1事実確認
2証拠保全
3関係者の聞き取り
4被害拡大防止
5社内外への説明方針決定
6再発防止策の検討
7必要に応じて弁護士・警察・行政機関へ相談

特に、横領、情報漏えい、暴力、ハラスメント、重大な名誉毀損などが疑われる場合は、早期に専門家へ相談すべきです。

行政書士は、社内規程、誓約書、再発防止文書、行政手続関連の整理などを支援できます。
一方、紛争交渉、損害賠償請求、訴訟対応、刑事告訴の代理などは弁護士の業務領域です。


Q11. 横領や情報漏えいを防ぐために、最低限どのような内部統制が必要ですか?

中小企業でも、最低限の内部統制は必要です。

特に重要なのは、次の4つです。

内部統制内容
権限分離一人に発注・承認・支払を集中させない
証跡管理見積書、請求書、領収書、承認記録を残す
定期確認現金、在庫、口座、契約状況を定期的に確認する
ルール明文化決裁権限規程、経費精算規程、情報管理規程を整備する

「信頼している従業員だから大丈夫」という考え方は危険です。
不正を疑うためではなく、不正を起こさせない仕組みを作ることが企業防衛です。


Q12. 決裁権限規程とは何ですか?

決裁権限規程とは、社内で「誰が、いくらまで、どのような契約や支出を承認できるか」を定めるルールです。

例えば、次のように定めます。

金額・内容承認者
5万円未満の消耗品購入部門責任者
5万円以上30万円未満の支出代表者または役員
30万円以上の契約代表者決裁
継続契約・重要契約代表者決裁+契約書確認
新規取引先との契約代表者決裁+反社チェック

決裁権限が曖昧だと、担当者が勝手に契約したり、後から責任の所在が不明確になったりします。
企業の規模にかかわらず、最低限の承認フローを整えることが重要です。


Q13. 社内規程は大企業だけが作るものですか?

いいえ。
中小企業こそ、簡潔で実務に合った社内規程が必要です。

従業員数が少ない会社では、口頭ルールや代表者の感覚で運用されがちです。
しかし、その状態では、従業員トラブル、情報漏えい、経費不正、SNS炎上、契約ミスが起きたときに対応が難しくなります。

最低限、次のような規程・書式を整備しておくと有効です。

  • 就業規則
  • 秘密保持誓約書
  • SNS利用規程
  • 経費精算規程
  • 決裁権限規程
  • 情報管理規程
  • 反社会的勢力排除条項
  • 業務委託契約書
  • 雇用契約書
  • 退職時誓約書

重要なのは、分厚い規程を作ることではありません。
現場で守れる、実効性のあるルールにすることです。


Q14. 行政書士に相談できる企業法務の範囲はどこまでですか?

行政書士は、契約書、誓約書、覚書、各種許認可申請、行政手続、社内文書の作成支援などを行うことができます。

例えば、次のような相談が可能です。

  • 契約書案の作成
  • 業務委託契約書の整備
  • 秘密保持誓約書の作成
  • SNS利用規程の作成
  • 許認可の取得・更新・変更届
  • 建設業許可の維持管理
  • 社内承認フローの文書化
  • 行政機関提出書類の作成
  • 不祥事予防の社内文書整備

ただし、すでに相手方と争いになっている案件、損害賠償請求、示談交渉、訴訟対応、法的紛争の代理は弁護士の業務領域です。

行政書士は、トラブルになる前の予防法務・行政手続・文書整備を中心に支援します。


Q15. 弁護士に相談すべきタイミングはいつですか?

次のような場合は、弁護士への相談が必要または適切です。

  • 相手方とすでに争いになっている
  • 損害賠償請求をしたい、または請求されている
  • 内容証明を送って交渉したい
  • 従業員を懲戒解雇したい
  • 横領・背任・詐欺などの刑事事件化を検討している
  • 訴訟・調停・労働審判の可能性がある
  • 取引先との契約解除で紛争が予想される
  • SNS炎上で名誉毀損・損害賠償の問題がある

たてかわ行政書士事務所では、行政書士として対応できる範囲を明確にし、必要に応じて弁護士相談が適切な場面を整理します。
無理に行政書士業務の範囲を超えることはせず、企業の安全を最優先に判断します。


Q16. 元警察幹部の経験は、企業法務や内部統制にどう活かされますか?

企業法務や内部統制では、単に書類を作るだけでは不十分です。
重要なのは、「どこにリスクが潜んでいるか」を事前に見抜くことです。

警察組織では、事故、違反、不祥事、情報漏えい、現場トラブルなどに対し、事実確認、証拠保全、原因分析、再発防止、組織管理を徹底します。

その経験を活かし、企業に対して次のような視点で支援します。

  • 現場で実際に起きやすいトラブルの予測
  • 曖昧な社内ルールの明文化
  • 不祥事発生時の初動対応整理
  • 証拠・記録を残す仕組みづくり
  • 従業員教育に使える規程・誓約書の整備
  • 経営者が責任を問われないための管理体制づくり

契約書や社内規程は、机上の書類ではありません。
会社を守るための実践的な防御線です。


Q17. 相談する前に準備しておく資料はありますか?

次の資料があると、より正確に確認できます。

相談内容準備資料
契約書チェック相手方から提示された契約書案、過去の契約書
業務委託契約業務内容、報酬、期間、相手方情報
建設業許可許可通知書、決算書、登記簿、技術者資料
社内規程現在の就業規則、社内ルール、誓約書
SNS炎上対策現在のSNS利用状況、従業員への周知文書
内部不正対策経費精算ルール、承認フロー、帳票類

資料が完全にそろっていなくても相談は可能です。
まずは現状を整理し、何が不足しているかを確認することが重要です。


Q18. たてかわ行政書士事務所に相談するメリットは何ですか?

たてかわ行政書士事務所では、行政書士としての許認可・契約書作成業務に加え、元警察幹部としての組織管理・危機管理の視点から、企業を守るための実務的な支援を行います。

特に次のような企業に適しています。

  • 建設業許可などの許認可を維持管理したい会社
  • 下請け・外注先との契約を整理したい会社
  • 従業員のSNS炎上を防ぎたい会社
  • 横領・情報漏えいを予防したい会社
  • 社内ルールが口頭運用になっている会社
  • 契約書や誓約書を整備したい会社
  • 行政書士と弁護士の相談範囲を整理したい会社

「問題が起きてから対応する」のではなく、
「問題が起きる前に備える」ことが、企業を守る最も現実的な方法です。


※本Q&Aは、警察・行政の公表情報に基づく一般的な情報提供です。具体的な紛争・交渉・訴訟に踏み込む助言は、弁護士その他の専門家に必ずご相談ください。※当事務所では、行政書士業務の範囲内で、契約書・誓約書・覚書・社内規程・許認可手続等に関する書類作成および相談対応を行います。すでに紛争化している案件、交渉、訴訟、損害賠償請求、刑事告訴等に関する代理業務は弁護士の業務領域となります。

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建川一茂
元神奈川県警察 警視。数々の修羅場を乗り越えた危機管理のスペシャリスト。特に、社会を震撼させた「相模原障害者施設殺傷事件」や「川崎市登戸児童殺傷事件」においては、混乱を極める現場の最前線での規制線の確保、マスコミ対応、応援部隊の調整、関係機関との困難な交渉を完遂。机上の空論ではない、極限状態での的確な意思決定と組織統率のノウハウを体得している。現在は行政書士として、その卓越したリスク管理能力を民間企業に還元。すでに3社の企業顧問を務めた経験から平時から有事まで、組織のあらゆる「死角」を指摘し、鉄壁の防御体制を構築している。多くの経営者が対策を後回しにする「本当のリスク」を知る、数少ない実務家。
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この記事を書いた人

元神奈川県警察 警視。数々の修羅場を乗り越えた危機管理のスペシャリスト。特に、社会を震撼させた「相模原障害者施設殺傷事件」や「川崎市登戸児童殺傷事件」においては、混乱を極める現場の最前線での規制線の確保、マスコミ対応、応援部隊の調整、関係機関との困難な交渉を完遂。机上の空論ではない、極限状態での的確な意思決定と組織統率のノウハウを体得している。現在は行政書士として、その卓越したリスク管理能力を民間企業に還元。すでに3社の企業顧問を務めた経験から平時から有事まで、組織のあらゆる「死角」を指摘し、鉄壁の防御体制を構築している。多くの経営者が対策を後回しにする「本当のリスク」を知る、数少ない実務家。

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