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カスハラ対策義務化(訪問系事業所向け)

たてかわ行政書士事務所危機管理研修会
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【この記事の結論】

2026年10月1日から、カスタマーハラスメント(カスハラ)対策が事業主の義務になります。訪問介護・居宅介護支援など訪問系事業所が10月までに決めることは、①相談先 ②中断・退避の基準 ③悪質事案の対応の3つです。本記事は厚生労働省の一次情報に基づき、元神奈川県警視の行政書士・建川一茂が、現場でそのまま使える準備手順を解説します。

「カスハラ対策の義務化で、うちの事業所は何をすればいいのか」。この記事を読めば、義務化の中身、カスハラの判断基準、10月1日までに整える5つの仕組み、危険な場面の通報先までが分かります。読み終えたときに、明日の朝礼で職員に伝える言葉が決まっている状態を目指します。

カスハラ対策義務化とは|2026年10月1日から何が変わるのか

▶ 結論:カスハラ対策義務化とは、事業主にカスハラ防止措置を義務付ける制度です。施行は2026年10月1日です。

これまで職員個人の「我慢」や「対応力」に任されてきた顧客等からの著しい迷惑行為への対応が、法律上、事業主が体制として整えるべきものに変わります。経緯は次のとおりです。

  • 2025年6月11日:改正法公布(労働施策総合推進法等の一部改正)
  • 2026年2月26日:防止指針の公布(令和8年厚生労働省告示第51号)。事業主が講ずべき措置が具体化
  • 2026年10月1日:義務化施行。事業主が方針・相談体制・記録・再発防止を整備

義務化の本質は、職員の我慢を「事業所の基準」と「相談体制」に置き換えることです。罰則から入る制度ではなく、雇用管理上の措置として職員を守る仕組みづくりが求められます。

根拠(一次情報):厚生労働省「職場におけるハラスメントの防止のために」/カスタマーハラスメント防止指針(令和8年厚生労働省告示第51号)。最終確認日:2026年7月12日。リンクは本記事末尾「一次情報・確認先」参照。

カスハラの3要素と「カスハラに当たらないもの」

▶ 結論:カスハラは「顧客等の言動」「許容範囲を超える」「就業環境が害される」の3要素で判断します。

  1. 顧客等からの言動:利用者・家族・来訪者・取引先など、職員が対応する相手からの言動
  2. 許容範囲を超える要求:内容や手段・態様が、社会通念上、相当な範囲を超える
  3. 就業環境が害される:身体的・精神的苦痛や、業務遂行への看過できない支障が生じる

大事な補足があります。正当な申入れ・通常の苦情・サービス改善の意見は、カスハラとして扱いません。利用者・家族からの声を封じる制度ではなく、「改善につなげる声」と「組織で対応すべき言動」を切り分けるための基準です。この切り分けを職員任せにしないことが、義務化対応の出発点になります。

訪問現場で見落としやすい5類型(元警視の視点)

▶ 結論:一つの言動だけで決めつけず、態様・頻度・継続性・危険性で見ます。特に訪問系は「密室性」がリスクを増幅します。

類型訪問現場での例
威圧・暴言大声、怒鳴り、脅し、人格否定、反社会的言動
執拗・拘束同じ要求の反復、長時間電話、居座り、帰宅妨害
過大要求制度上できない対応、担当者変更の強要、土下座等の要求
性的・私的接触性的発言、接触、私的な誘い、連絡先の強要
危険行為物を叩く・投げる、刃物・工具等を示す、退路をふさぐ

警察で数多くの現場対応を指揮してきた立場から、一つだけ強調します。危険がある場面では、記録より退避・連絡・通報を優先してください。「記録を残さなければ」と現場に留まることが、最も避けるべき判断です。利用者宅という相手の生活空間では、事務所や店舗と違い応援がすぐに来ません。だからこそ、退いてよい基準を事前に決めておく必要があります。

事業主が10月1日までに整える5つの仕組み

▶ 結論:義務化対応は「方針・相談窓口・記録・被害者配慮・再発防止」の5点セットです。職員個人の対応力の話ではありません。

  1. 方針の明確化・周知:何を許容しないか、誰に相談するかを明文化する
  2. 相談窓口・対応者の設置:上司・管理者・法人本部など相談先を決める
  3. 事実確認と記録:日時・発言・行動・対応・証拠を整理する様式を統一する
  4. 被害職員への配慮:担当変更、複数対応、行為者との分離、メンタルケア
  5. 再発防止・悪質事案への方針:対応基準の見直し、警察・行政との連携
これまで(個人任せ)義務化後(事業所の仕組み)
判断職員がその場で我慢するか決める事前に決めた基準で判断する
相談「報告しづらい空気」に左右される相談先と手順が明文化されている
記録個人のメモ・記憶頼み統一様式で日時・発言・対応を残す
悪質事案現場で抱え込む警察・行政・専門家と連携して組織対応

今すぐ着手できるアクションは3つです。①相談先を1つ決めて全職員に周知する ②「中断・退避してよい基準」を1枚の文書にする ③記録様式を統一する。この3つが決まれば、義務化対応の骨格は完成します。

危険・悪質事案の相談先|110番と#9110の使い分け

▶ 結論:身の危険がある緊急時は110番、緊急でない反復的な不安は#9110(警察相談専用電話)です。事業所だけで抱えないでください。

状況連絡先
緊急110番身の危険、けが人、閉じ込め、刃物・危険物、暴行・脅迫
緊⁠急⁠で⁠な⁠い⁠相⁠談#9110・警察署生活安全上の不安、反復する威圧、次回訪問への不安
行⁠政⁠・⁠関⁠係⁠機⁠関地域包括・市町村・法人本部・職能団体対応方針の相談、情報共有、専門家への接続

なお、出入り禁止・契約解除・サービス停止・損害賠償請求などの個別判断は、個別の法令・契約・自治体対応の確認が必要な領域です。個別の紛争・交渉・争訟に関わる判断は、弁護士等の専門家への相談が必要です(※要弁護士相談)。本記事は一般的な制度説明であり、個別事案の法的判断を示すものではありません。


訪問系事業所向け支援メニュー|カスハラ対策を「現場で使える仕組み」にする

▶ 結論:たてかわ行政書士事務所は、義務化対応を「3基準づくり+書類+研修」の形に落とし込む支援を行います。

  1. 入口診断:訪問時の困りごとをヒアリングし、既存マニュアル・記録様式を確認。優先して決める事項を整理
  2. 3基準づくり:単独訪問を避ける基準/中断・退避してよい基準/報告・相談先の基準
  3. 書類・研修:基本方針・現場マニュアル・記録様式の整備、管理者・職員向けミニ研修
  4. 連携設計:地域包括・市町村との共有先、警察相談(110番・#9110)への接続、弁護士・社労士等との連携

提供できる成果物:カスハラ対応基本方針/訪問安全マニュアル/単独訪問判断表/中断退避判断表/報告先台帳/記録様式/研修資料。講演・研修は自治体・学校・福祉施設向け講師料30,000円〜(税込)、企業研修は内容に応じて個別見積りです。

職域の線引き:個別の紛争・交渉・損害賠償への対応は弁護士、就業規則の改定は社会保険労務士の業務領域です。当事務所は必要に応じてこれらの専門家と連携し、行政書士の業務範囲(書類・マニュアル等の作成、研修・講演、行政機関との連携支援)で対応します。

講師プロフィール

建川一茂(たてかわ・かずしげ)|たてかわ行政書士事務所 代表。行政書士(神奈川県行政書士会所属・登録番号23091221 神奈川県行政書士会相模原支部)。元神奈川県警視。自衛隊勤務を経て神奈川県警察に奉職し、警察署・機動隊・要人警備など14の勤務地で39年間、現場の危機管理・防犯の実務と指揮にあたる。退職後、行政書士として開業。危機管理・防犯講演×訪問現場の安全対策の専門家として、自治体・学校・福祉施設・企業向けの講演・研修を全国対応で提供している。2026年7月には訪問業務従事者向けカスハラ対策講演を実施。

所在地:〒252-0326 神奈川県相模原市南区新戸3021-8 たてかわ行政書士事務所(電話:090-2307-2513)

よくある質問(FAQ)

Q1. カスハラ対策の義務化はいつからですか?対象はどの事業者ですか?

2026年10月1日施行です。労働施策総合推進法等の改正により、事業主にカスハラ防止のための雇用管理上の措置が義務付けられます。規模や業種を問わず、雇用主である事業者が対象です。

Q2. 最低限、何をすれば義務を満たせますか?

防止指針(令和8年厚生労働省告示第51号)が示す、方針の明確化・周知、相談窓口の設置、事実確認と記録、被害職員への配慮、再発防止の5点が柱です。まずは相談先の決定・中断退避基準の文書化・記録様式の統一の3つから着手することをお勧めします。

Q3. カスハラと正当なクレームはどう区別しますか?

「顧客等の言動」「社会通念上の許容範囲を超えること」「就業環境への支障」の3要素で判断します。正当な申入れ・通常の苦情・改善意見はカスハラに当たりません。区別の基準を事業所として文書化し、職員個人の判断に委ねないことが重要です。

Q4. 訪問介護・居宅介護支援で特に必要な準備は何ですか?

利用者宅という密室で職員が一人になる業態のため、①単独訪問を避ける基準、②訪問を中断・退避してよい基準、③報告・相談先、の3基準を事前に決めておくことが最優先です。危険時は記録より退避・通報を優先する原則も明文化してください。

Q5. 職員向け研修は必要ですか?講師は依頼できますか?

方針や基準は、研修で職員に浸透させて初めて機能します。当事務所では元神奈川県警視の経験に基づく実践型のカスハラ対策研修・講演を提供しています(自治体・学校・福祉施設向け講師料30,000円〜・税込、全国対応・オンライン可)。

この記事の要点

  • カスハラ対策義務化とは、事業主にカスハラ防止措置を義務付ける制度。2026年10月1日施行
  • カスハラは「顧客等の言動」「許容範囲超過」「就業環境への支障」の3要素で判断する
  • 正当な申入れ・通常の苦情はカスハラに当たらない
  • 結論:義務化対応の柱は方針・相談窓口・記録・被害者配慮・再発防止の5つ
  • 今すぐやること3つ:相談先を決めて周知する/中断・退避基準を文書化する/記録様式を統一する
  • 訪問系事業所は「単独訪問・中断退避・報告先」の3基準づくりが最優先

説明資料(PDF・全11ページ)を無料でダウンロードできます

本記事の内容を職員説明・管理者会議でそのまま使えるスライドにまとめました。

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初回相談は無料です。無料相談は契約を強制しません。

講演・研修の相談をする 電話:090-2307-2513

一次情報・確認先

  • 厚生労働省|職場におけるハラスメントの防止のために:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/seisaku06/index.html
  • 厚生労働省|カスタマーハラスメント防止指針(令和8年厚生労働省告示第51号):https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001662584.pdf
  • 厚生労働省|介護現場におけるハラスメント対策:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_05120.html
  • 警察庁|110番・警察相談専用電話#9110のご案内:https://www.npa.go.jp/goiken_index.html

関連ページ:業種別 危機管理・防犯研修危機管理講演・研修サービス訪問業務従事者向けカスハラ対策講演の実施報告(2026年7月)

※本記事は2026年7月12日時点の一次情報に基づく一般的な制度説明です。個別事案の契約解除・労務・争訟に関わる判断は、弁護士・社会保険労務士等の専門家にご相談ください。